トークスクリプトの作り方とは?構成要素と改善の進め方を解説

トークスクリプトを作ると、営業担当者ごとにばらついていた話す内容と順番がそろいます。新人でも一定の水準で商談を進められるようになります。

トークスクリプトとは、営業で話す内容と流れをあらかじめ整理した台本です。

ただし、台本どおりに話せば受注できるわけではありません。

この記事では、トークスクリプトを作る4ステップと、実際の営業を振り返って改善する進め方を解説しています。

トークスクリプトとは、営業で話す内容や流れを整理した台本

トークスクリプトとは、商談やアポイント獲得の電話で、話す内容と流れをあらかじめ整理した台本です。商談だけでなく、テレアポや問い合わせへの対応もトークスクリプトの対象に含まれます。

台本が必要になるのは、営業担当者による差を小さくするためです。同じ商材でも、聞く順番や提案の組み立てが人によって変わると、成果も人によって変わります。

トークスクリプトがあれば、営業経験の浅い担当者でも、商談で何を質問し、どの順番で説明すればよいかを把握しやすくなります。

担当者ごとのばらつきは、現場でも課題として受け止められています。当社の調査では、インサイドセールス業務に携わる1,027名に、人中心の体制を今後も続けた場合の不安をたずねたところ、「担当者による成果・品質のばらつきが解消されない」を選んだ人は27.6%でした(複数回答。全13項目中3位)。

人を増やしても、話す内容が人任せのままでは差は残ります。

※当社調べ。インサイドセールス業務に携わる会社員1,027名へのインターネット調査(2026年1月)

関連記事:営業ヒアリングとは|顧客課題を特定する仮説検証の工程、成果は型で決まる

トークスクリプトを構成する5つの要素

トークスクリプトに入れる要素は、下記の5つです。

  • 導入のあいさつと用件の提示
  • 相手の状況のヒアリングと課題の合意
  • 課題に対する提案
  • 想定される質問と断りへの切り返し
  • 次のアクションにつなげるクロージング

特に商談用のトークスクリプトでは、相手の状況のヒアリング(ファクトファインディング)と課題の合意を丁寧に設計する必要があります。事前に立てた仮説を入口に質問を重ね、相手の現状を事実で押さえていく工程にあたります。仮説と実際が違うことは珍しくなく、違ったときに深掘りできるかどうかで差がつきます。

ここで押さえるのは、相手の現状と、相手が目指している状態の差です。その差が課題です。

営業担当者は、提案に進む前に、その課題の捉え方が相手と一致しているかを確認する一文を台本に入れておくとよいでしょう。認識がずれたまま提案すると、内容が良くても相手には関係のない話になります。

関連記事:BANT情報の集め方を徹底解説|インサイドセールスが押さえるべきヒアリングのコツ

トークスクリプトを作る4ステップ

トークスクリプトを作る手順は、下記の図の4ステップです。

当社は600社以上の営業支援を通じて、商談の工程ごとに何を評価するかの軸を蓄積してきました。

ステップ①:目的とゴールを決める

営業担当者は、その台本をどの場面で使い、何を達成した状態で終えるかを先に決める必要があります。アポイントの獲得か、商談を次の段階へ進めることかで、話す内容の優先順位は変わってきます。

目的で分けたときの台本の違いは下記です。

比べる点 アポイント獲得の電話 商談
終えたい状態 次回の日程が決まっている 提案など次の段階へ進んでいる
時間をかける要素 導入のあいさつと用件の提示 相手の状況のヒアリングと課題の合意
クロージングの中身 日程の確定 次のアクションの合意

ステップ②:顧客と自社の強みを整理し、訴求内容を決める

営業担当者は、対象顧客の事業や課題、自社商材の強み、競合との違いを整理します。相手に何を伝えるかは、この整理を踏まえて決めるとよいでしょう。過去の商談記録があれば、よくある質問や断りの理由も集めておきます。

同じ商材でも、相手の状況によって伝えるべき価値は変わります。対象顧客と訴求内容が合っていないと、会話の形だけを整えても関心を得にくいためです。

ステップ③:会話の流れに沿ってトークを組み立てる

営業担当者は、ステップ②で整理した材料を、5つの要素に割り当てていきます。ヒアリングには、仮説が外れたときに深掘りする質問まで入れておきます。課題の捉え方を相手と合わせる確認を置いてから、提案へ進みましょう。

ステップ④:営業担当者が使える形に整える

台本は、読み上げる前提の長さにはせず、話す順番と切り返しが一目で分かる形に整えます。全文を文章で書き起こすのではなく、要点と質問の文例を並べる作りにしましょう。

長すぎる台本は、現場で使われにくくなります。

トークスクリプトどおりに商談が進まないのが、商談

ここまで作ってきたトークスクリプトは、営業の型でありベースです。ベースが決まっているからこそ、商談のどこで想定と違ったのかを後から特定できます。ただし、台本どおりに話して受注まで進む商談は、ほとんどありません。

1件の架電、1件の商談は、相手も状況もタイミングも毎回違います。同じ商材を同じ台本で話しても、返ってくる言葉は1件ずつ変わります。商談は生もので、同じものが二度ありません。

当社では、この1件ごとの経緯を社内で「営業物語」と呼んでいます。1件の商談には、その顧客ごとの経緯と流れがあるという意味です。次に何を話すかは、台本よりも、それまでの経緯によって決まります。

台本の精度を机上の想定だけで高めようとするのではなく、実際の商談で何が起きたかを振り返り、改善に反映することが必要です。本来それを担うのは、マネージャーによるフィードバックです。

ただ、ここには物理的な限界があります。マネージャーがすべての商談を確認し、個別にフィードバックするには相応の時間がかかります。振り返りの仕組みが整っていないと、実際の顧客の反応が台本に反映されず、担当者ごとの課題も見過ごされやすくなります。

商談を1件ずつ振り返れないままでは、成果が変わらない原因が台本にあるのか、担当者の使い方にあるのかも切り分けられません。

実際の営業内容を振り返ってトークスクリプトを改善する

商談の内容は1件ずつ違うのであれば、1件ずつ記録して見るしかありません。トークスクリプトは作って終わりではなく、実際の顧客の反応をもとに修正していくものです。同じ理由で断られる商談が続くなら、質問や提案を見直しましょう。

トークスクリプトの改善は、『記録する』『振り返る』『修正する』『再び使う』の4段階で進めます。各段階で何に気をつけるかは、下記の図のとおりです。

更新する担当者は先に決めておきましょう。修正した台本は、そのつど営業メンバーへ共有します。

当社が提供するセールスエースは、商談やアプローチの全文書き起こしを入力すると、商談を8つの軸で採点するAIツールです。採点にあわせて、次回のトークストーリーも返ります。マネージャーがすべての商談を確認するのは難しいため、AIによる評価を活用することで、商談の振り返りやフィードバックを効率化できます。

改善に直接使えるのは「次回のストーリー」と「次回ストーリーにおける注意点」です。次に何を質問し、どのように提案するかを見直す材料になります。セールスエースが出力する次回のトークストーリーは、5つの段階に分かれ、営業担当者と顧客の会話例がやり取りの形で示されます。

AIの出力はそのまま採用しません。担当者やマネージャーが顧客の状況と照合したうえで、台本に反映する内容を決めます。

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商談の振り返りとトークスクリプトの改善を仕組み化するならインプレックスアンドカンパニー

商談ごとの違いを継続的に振り返り、組織全体の営業品質を高めるには、共通の評価基準が必要です。

当社が提供するセールスエースは、商談やアプローチの全文書き起こしを入力すると、商談を8つの軸で採点するAIツールです。商談を端的に表す格付けと、採点の履歴が残るのも特徴です。評価が同じ基準で並ぶため、担当者ごとに違っていた見方がそろいます。評価結果と実際の商談内容を照らし合わせることで、トークスクリプト自体に改善すべき点があるのか、担当者の使い方に課題があるのかを検討する材料になります。

セールスエースの詳細は下記ページよりご確認ください。

https://www.imprexc.jp/lp/salesace/

トークスクリプトの作り方に関するよくある質問

トークスクリプトは誰が作るとよいですか

成果が出ている担当者の商談を題材に、マネージャーが型として抜き出す形が向きます。作り手を現場から離すと、実際には使われない言い回しが残りがちです。

スクリプトを使わない担当者がいる場合はどうすればよいですか

守らせることから入らず、まず飛ばされている箇所を特定しましょう。不要だから飛ばされているなら、その箇所は台本から外します。必要な工程が飛ばされているなら、台本の使いにくさと担当者の理解のどちらが原因かを確かめます。

電話と対面でトークスクリプトは分けるべきですか

分ける軸は、電話か対面かではなく目的です。アポイントの獲得か商談かで、話す内容の優先順位が変わります。電話で商談をする場合は、商談用の台本を使います。

トークスクリプトどおりに話しているのに受注につながりません

台本を書き直す前に、実際の商談での使われ方を確かめましょう。基本の流れを押さえたうえで、相手の返答に応じて質問を深掘りしたり、話す順番を柔軟に変えたりできているかを確認します。