営業人材が不足する主な原因は、採用が難しいことと、採用しても退職してしまうことの2つです。
採用活動は欠かせませんが、すぐに人材を確保できるとは限りません。緊急度が高い場合は、既存社員が商談に集中できる体制を整え、外部リソースで不足分を補う方法も有効です。
本記事では、公的統計と当社調査をもとに営業人材不足の原因と影響を整理したうえで、採用以外の解消方法と、費用を抑えて営業力を補うポイントを解説します。
営業人材の採用は難しく、有効求人倍率は2倍
厚生労働省の一般職業紹介状況(令和6年)によると、2024年平均の有効求人倍率は全職種で1.25倍でしたが、営業職を含む販売従事者は約2.20倍でした。求人数に対して求職者が少なく、企業が人材を確保しにくい状況です。
中小企業や地方企業では採用力の差が出やすく、計画どおりに増員できないケースもあります。その結果、既存の営業担当者に業務が集中し、顧客対応や商談に十分な時間を割けなくなります。
当社の調査によると、対応し続けるのが難しい業務は営業時間外の対応が36.2%で最多でした。大量リードへの同時対応も30.0%にのぼります(上位3つまで選択)。
※当社調べ。インサイドセールス業務従事者へのアンケート調査、2026年1月30日、n=1,027
参考記事:一般職業紹介状況(令和6年)|厚生労働省
営業人材が不足する2つの原因|「採用できない」と「採用しても辞める」
営業人材不足は、採用段階と定着段階の両方で起こります。営業人材不足を社内のみで解決する場合は、自社の課題が採用と定着のどちらにあるのかを見極め、影響が大きい方から優先して改善しましょう。
当社の調査では、人中心の体制を今後も続けた場合の不安をたずねました。インサイドセールス業務従事者の27.6%が、担当者による成果・品質のばらつきが解消されないことを挙げています(複数回答)。担当者に依存した体制は、一人の退職で複数の案件が同時に止まるリスクを高めます。
※当社調べ。インサイドセールス業務従事者へのアンケート調査、2026年1月30日、n=1,027
生産年齢人口の減少と営業職の不人気で母集団が縮む
営業人材を採用しにくい背景には、生産年齢人口の減少があります。総務省の人口推計と国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口(令和5年推計)によると、15歳から64歳の人口は1995年をピークに減少しています。2020年の約7,406万人から、2050年には約5,275万人、2070年には約4,535万人まで減る見通しです。
さらに、電話営業や飛び込み、厳しいノルマ、長時間労働といったイメージも、営業職が敬遠される一因です。働き手の減少と職種イメージが重なり、計画どおりの採用は難しくなっています。
参考記事:人口推計|総務省統計局
採用しても辞める|営業職の離職率が高い
採用できても、定着しなければ人材不足は解消しません。営業職は目標へのプレッシャーや評価への納得感の低さから、離職が起きやすい職種とされます。厚生労働省の雇用動向調査によると、令和5年の全体の離職率は15.1%でした。
採用コストをかけても、成長実感や評価への納得が得られなければ定着につながりません。さらに、顧客情報や商談の進め方が個人に依存していると、退職時に案件やノウハウも失われます。採用だけでなく、定着と属人化対策を同時に進めることが重要です。
関連記事:営業のAI活用とは?できること・導入5ステップ・失敗しないコツを解説
参考記事:雇用動向調査|厚生労働省
営業人材不足が事業にもたらす影響
営業人材不足を放置すると、新規開拓と既存顧客への対応が滞り、商談数や受注率の低下につながります。影響はすぐに売上へ表れず、数か月後に顕在化することもあります。
主な影響は、次の3点です。
- リードの取りこぼしが発生する
- 属人化で成果や品質にばらつきが生じる
- 対応スピードが落ち商談機会を逃す
これらの影響は、人手を増やせない状況ほど深刻になります。社内だけでの対応に限界がある場合は、必要に応じて外部リソースを活用し、機会損失を防ぐことが重要です。
リードの取りこぼしが発生する
人手不足で初動が遅れると、獲得したリードが競合へ流れやすくなります。問い合わせ直後は関心が高いため、返信や電話対応までの時間が長いほど商談化の可能性は下がります。当社資料で紹介しているデータでは、5分以内の対応は21件、30分後の対応は1件と、商談化件数に21倍の差が示されています。初動を早める体制づくりが重要です。
当社の調査では、匿名で離脱した見込み客について、インサイドセールス業務従事者の約8割が機会損失を感じていました。初回接触は約7割が当日中までに行われており、スピード対応が標準化するなか、追随できない体制は取りこぼしを生みます。
※当社調べ。インサイドセールス業務従事者へのアンケート調査、2026年1月30日、n=1,027
属人化で成果や品質にばらつきが生じる
営業活動が担当者に依存すると、提案の質や対応速度に差が生じます。退職や異動のたびに引き継ぎの品質が落ち、成果も不安定になります。顧客情報や成功パターンを記録・共有し、組織で再現できる状態をつくることが重要です。
当社の調査によると、担当者によって成果に差が出やすいという回答は13.4%でした(複数回答)。
※当社調べ。インサイドセールス業務従事者へのアンケート調査、2026年1月30日、n=1,027
対応スピードが落ち商談機会を逃す
営業時間外や休日に対応できないと、問い合わせを翌営業日まで待たせることになります。その間に見込み客が競合へ相談すれば、商談機会を失いかねません。人員を増やせない場合でも、対応時間を広げる仕組みを整える必要があります。
当社の調査では、人中心の体制を続けた場合の不安をたずねました。「夜間・休日対応ができず、取りこぼしが続く」と32.2%が回答し、「初期対応の遅れによる機会損失が増える」と28.5%が回答しています。
※当社調べ。インサイドセールス業務従事者へのアンケート調査、2026年1月30日、n=1,027
関連記事:営業リスト管理とは?属人化と取りこぼしを防ぐ項目・方法・ツールを徹底解説
営業人材不足を採用以外で解消する方法
営業人材不足は、採用だけでなく、外部リソースの活用、業務効率化、分業体制の整備でも補えます。緊急度、予算、社内の育成余力に応じて手段を選びましょう。各手法の特徴は下記のとおりです。
| 解消方法 | メリット | デメリット | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| 営業代行・人材派遣 | すぐに人手を補える | 委託先によって品質や成果に差が出る | とにかく手が足りない企業 |
| 時間特化型の営業支援 | 成果につながる時間だけ即戦力を活用できる | 常時フル稼働の業務には不向き | コアタイムに集中投下したい企業 |
| 育成を前提に採用する | 自社文化を体得した人材が育つ | 成果が出るまで時間がかかる | 育成体制を組める企業 |
| 教育・評価制度の整備 | 定着率が上がる | 効果が出るまで時間がかかる | 離職に課題がある企業 |
| SFA・CRM・生成AIで効率化 | 付帯業務の工数を削減できる | 運用・定着に人手が要る | 業務が属人化した企業 |
| インサイドセールスで分業 | 少人数でも商談数を維持できる | 立ち上げに負荷がかかる | 反響やリードが多い企業 |
営業代行や人材派遣は、短期間で人手を補える一方、委託先によって品質や成果に差が出ます。既存の支援で成果が出ていない場合は、一度に切り替えず、対象領域を絞って段階的に見直すと安全です。当社の時間特化型の営業支援サービス「セールスオン」は、成果につながる時間帯に即戦力を配置し、成果の出ていない外注の段階的な見直しも支援します。
関連記事:BtoB営業代行のおすすめ会社12選|種類別の選び方を解説
費用を抑えて営業の人材不足を解消するためのポイント
費用を抑えるには、採用人数を増やす前に、既存社員の時間配分を見直すことが重要です。資料作成や社内会議、移動などの付帯業務を減らせば、商談や顧客対応に使える時間を増やせます。
費用を抑えて商談数を増やすための考え方は、次の3点に整理できます。
- 人件費を固定費から変動費に変える
- 売れる時間に人材を集中させる
- 採用や育成を行わず即戦力の営業人材を使う
当社の時間特化型営業支援サービス「セールスオン」は、必要な時間に即戦力を配置し、人件費を変動費化することで、採用・育成コストを抑えながら商談数の向上を支援します。セールスオンの詳細は下記ページより、ご確認ください。
https://www.imprexc.jp/lp/salescore/
人件費を固定費から変動費に変える
営業リソースをすべて正社員の固定費として抱える必要はありません。必要な期間や時間に限って外部人材を活用すれば、繁忙期と閑散期に合わせてコストを調整できます。売上や案件数の変動に応じて体制を変えやすく、過剰な固定費も抑えられます。
売れる時間に人材を集中させる
営業成果は、稼働時間の長さだけでなく、顧客と接点を持てる時間に左右されます。決裁者とつながりやすい時間帯や問い合わせが集中する時間帯に人材を配置すれば、限られた稼働でも商談機会を増やせます。
残業規制やコンプライアンス強化により、社内だけで対応時間を広げるのは難しくなっています。付帯業務や一部の営業活動を外部へ切り出し、既存社員が商談に集中できる状態をつくりましょう。
採用や育成を行わず即戦力の営業人材を使う
採用と育成には時間がかかります。緊急度が高い場合は、必要な業務をすぐに任せられる外部の即戦力を活用する方法があります。立ち上げ期間を短縮できるため、採用が完了するまでのつなぎや、繁忙期の補完にも有効です。
関連記事:インサイドセールスの費用対効果とは?測り方・コスト相場・高める方法を解説
育成や採用コストを削減して営業課題を解決するセールスオンの特徴
採用や育成を待たずに商談数を増やしたい場合は、営業支援サービスの導入を検討することも一つの手段です。セールスオンは、ターゲット顧客と接点を持てる時間帯に即戦力を配置し、付帯業務も支援することで、既存の営業担当者が顧客対応に集中できる体制をつくります。成果が出ていない外注も、対象領域を絞って段階的に見直せます。
セールスオンの主な特徴は、次の4点です。
- コアタイムに即戦力を配置する
- 付帯業務を支援し、商談時間を増やす
- 成果が低い外注を段階的に見直す
- 営業リソースを変動費として活用する
セールスオンは、一定規模の営業組織がありながら商談時間を確保できていない企業や、営業代行の成果に課題がある企業に向いています。
https://www.imprexc.jp/lp/salescore/
営業人材不足でよくある質問
営業人材不足は今後も続くと見られていますか
今後も続く可能性が高いと考えられます。生産年齢人口の減少が続くため、採用環境が短期間で大きく改善するとは限りません。採用と定着支援に加え、業務効率化や外部リソースの活用も並行して進めましょう。
時間特化型の営業支援と人材派遣は何が違いますか
人材派遣は、派遣先の指示を受けて業務を行う人材を一定時間提供する仕組みです。時間特化型の営業支援は、成果につながる時間帯や業務に範囲を絞り、即戦力を配置します。契約内容はサービスごとに異なるため、支援範囲と評価指標を確認してください。
セールスオンは営業担当者が少ない企業向けのサービスですか
主な対象は、営業組織がありながら、付帯業務によって商談時間を確保できていない企業や、営業代行の成果に課題がある企業です。営業担当者がほとんどいない立ち上げ期よりも、既存の営業体制を生かして商談数を増やしたい企業に向いています。
成果の出ていない営業代行を使っていますが切り替えられますか
切り替えられます。まずは商談化率などの成果指標が低い領域に絞って試すとよいでしょう。既存契約を一度に止めず、効果を確認しながら対象範囲を広げることで、移行リスクを抑えられます。
外部リソースを活用すると社内に営業ノウハウが残らないのではないですか
委託先が活動記録や成功パターンを共有する体制であれば、ノウハウを社内に蓄積できます。契約前に、レポート内容、改善提案、引き継ぎ方法まで確認しましょう。
営業人材不足の対策は効果が出るまでにどのくらいかかりますか
手段によって異なります。採用や育成は成果が出るまで時間を要しますが、外部の即戦力は比較的早く営業活動へ組み込みやすい方法です。緊急度に応じて、短期施策と中長期施策を組み合わせましょう。






